地域格差をしっかりと把握しておく

看護師の地域格差について考える場合、問題を複数のセクションに切り分ける必要があります。というのも、医療関係者を取り巻く環境は地域ごとに千差万別で、全国各地の実情をひとまとめにして語ることは難しいからです。そこでまずは、看護師を取り巻く環境を大きく都会と地方に分け、それぞれの地域で抱える問題について分析することにします。

まず、都会と地方で決定的に異なるのは病床数です。いうまでもなく、東京や大阪といった都会の病床数は抜きんでており、相対的に地方は少ない傾向が続いています。こうした状況は、仕事を探す看護師の選択肢にも大きな影響を及ぼすでしょう。実際、都会に住む看護師に比べ、地方の看護師の選択肢はそれほど多くありません。また、人材不足も地方の病院の方がより深刻で、地方で働く看護師の負担は都会で働く看護師よりも大きいことも指摘されています。

さらに、給与面においても都会と地方の病院ではその格差が顕著です。「平成26年賃金構造基本統計調査」によると、1位の東京と最下位の熊本の賃金には159万円もの差があります。一方、多くの看護師が集まる都会の病院では、スキルアップには適している環境ではあるものの、なかなか重要な仕事が回ってこないという場合もあるようです。そのため、長いキャリアを考えれば、都会よりも人材不足な地方の方がいいとの意見も見られます。その他、看護師として働くのであれば都会と地方、それぞれのメリット・デメリットhttp://tenshoku-tokaihakangoshi.comにも目を向けてみましょう。